◇五輪組織委、57項目公表
【北京・飯山太郎】8月に開幕する北京五輪の組織委員会は3日、大会期間中に訪れる外国人が守るべき事柄をまとめた「法律指南」を公表した。「五輪競技場内で宗教、政治、人種をめぐるスローガンを掲げることを禁ずる」など全57項目にわたる。
公共の場で中国国旗を燃やしたり、踏んだりする行為は、国内法違反で「刑事責任を問われる」と強調。「国家安全や社会の公共利益を脅かす行為をする可能性がある」外国人は入国が許されず、大会期間中の集会やデモは公安機関の許可がない限り禁止。中国国内の民家に宿泊する場合は、地元の公安機関への届け出が必要となる。人権やチベット情勢に関する問題で、大会期間中に外国人による抗議活動が発生することを警戒した措置とみられる。
このほか、検疫上の理由から「中国国内に外国人が持ち込めるペットは1人1匹で犬か猫に限る」。街のイメージを守るため「公共の場所での野宿を禁止」し、ディスコなどの娯楽施設は「午前2~8時まで営業はしない」など、「指南」は細部までわたっている。
一方、国内の商業施設に対しては「外国人の入店を制限する権利はない」と明記。愛国主義の高まりによる外国人への反感などから、特定の国の人々の立ち入りを拒否できないように配慮した。