東京電力は17日、社外取締役の小林喜光三菱ケミカルホールディングス(HD)社長(68)が3月末で辞任し、新たに武田薬品工業の長谷川閑史会長(68)を起用する人事を発表した。6月末に開く株主総会を経て正式に就任する。豊富な企業経営の経験を生かし、電力小売り全面自由化に向けた戦略策定や執行の監督にあたってもらう。
小林氏は4月に経済同友会の代表幹事に就任する予定で、今後は財界活動に比重を置く。東電の社外取締役には2012年に就き、福島第1原子力発電所事故後の経営再建を加速させた。
長谷川氏は現在同友会の代表幹事を務めており小林氏と親交が深い。過去に副代表幹事を務めた東電の数土文夫会長や社外取締役の藤森義明LIXILグループ社長とも親交がある。今年1月には東電の柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)を訪問するなど、エネルギー問題にも高い関心を寄せていた。