甘利明経済財政・再生相は31日の閣議後記者会見で、今夏に作る財政健全化計画について「2020年度に基礎的財政収支の黒字化を目指すことは変えない」と強調した。政府内には黒字化よりも債務残高の圧縮を重視すべきだとの意見もあるが「黒字化を達成した後に債務残高の国内総生産(GDP)比を減らす」と、まずは黒字化を優先する考えを示した。
甘利経財相は「基礎収支の黒字化だけ、収支の改善だけでやっていくと成長がおろそかになる」とも強調した。その上で「公的サービスの産業化など、公がやっていることを民間の事業にして、そこでGDPを増やすというのもある」と語り、国や自治体が取り組む事業を民間企業に任せば、歳出削減と同時に新しい市場が生まれるとの考えを語った。「成長を加速し歳出のカットを成長のエネルギーにできないか、あらゆる知恵を絞りたい」と述べた。