【NQNニューヨーク=古江敦子】3日のニューヨーク外国為替市場で円相場は上昇し、前日比75銭円高・ドル安の1ドル=118円95銭~119円05銭で取引を終えた。一時118円71銭と3月26日以来の円高・ドル安水準を付けた。3月の米雇用統計が米労働市場の回復の鈍さを示し、米国で緩和的な金融政策が長引くとの見方が浮上。主要通貨に対してドルが売られた。
米雇用統計で非農業部門雇用者数の前月からの増加幅は12万6000人と、2013年12月以来1年3カ月ぶりの低水準になった。15年1~3月の増加幅は平均で月19万7000人と、力強い回復ペースの目安とされる20万人をやや下回った。米雇用の回復を見込んでドル買いに傾けていた持ち高を解消する動きが広がった。「米連邦準備理事会(FRB)は6月に政策金利の引き上げに動きにくくなった」との声が聞かれた。
3日は復活祭祝日前の聖金曜日で休暇を取る市場参加者が多かった。取引量が通常より少なかったため、値動きが大きくなりやすかったとの指摘があった。
円の安値は119円99銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比25銭円安・ユーロ高の1ユーロ=130円45~55銭で取引を終えた。ドルに対するユーロ上昇の勢いが強く、円に対してもユーロ買いが及んだ。
ユーロは対ドルで3日続伸し、前日比0.0090ドル高い1ユーロ=1.0965~75ドルで終えた。米雇用統計の発表直後に一時1.1027ドルと3月26日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。米雇用統計を受けてFRBによる早期の利上げ観測が後退し、ユーロに買いを促した。
ユーロの安値は1.0870ドルだった。