地下鉄サリン事件から22年を迎え、東京メトロ霞ケ関駅で黙禱(もくとう)する駅員ら=20日午前8時0分、東京都千代田区、林紗記撮影
13人が死亡し、6千人以上が負傷したオウム真理教による地下鉄サリン事件から、20日で22年となった。大きな被害が出た東京メトロの6駅の事務室には献花台が設けられた。職員2人が亡くなった霞ケ関駅(東京都千代田区)では、発生時刻に近い午前8時に駅員21人が黙禱(もくとう)をささげ、犠牲者を追悼した。
献花台に花束を供えた大友豊彦・霞ケ関駅務管区長は「サリンで被害にあった職員の顔を思い浮かべた。被害者の方々の一日も早いご回復をお祈りしたい。お客様の安全を守り、安心して地下鉄を利用して頂けるよう、社員一同、一層努力する所存です」と話した。
駅助役だった夫を亡くした高橋シズヱさん(70)も献花に訪れ、「あっという間の22年。ここに来るとあの日のことを思い出します」と語った。「事件によって被害者や遺族だけでなく、加害者の家族も含め、多くの人がつらく悲しい思いをしている」と述べ、事件当時を知らない若い世代に向け、「1人の人に判断を委ね、大勢の人を傷つけてしまうことがどういうことかを知ってほしい」と話した。