強い日差しによる葉焼けや枯れを防ぐ作用があるビタミンCを葉緑体に運んでいるタンパク質を岡山大と理化学研究所環境資源科学研究センター(横浜市)のチームが6日までに突き止めた。
このタンパク質の働きを高め、ビタミンCが多く運ばれるようにすれば、強い太陽光を受ける環境下でも枯れにくい植物の開発が期待できるとしている。
岡山大によると、植物は高温や乾燥などストレスに弱い品種が多く、過剰な太陽光もその一つ。
ビタミンCは光のエネルギーを逃がす働きを持ち、植物は強い光を受けると、細胞内のミトコンドリアでビタミンCを作り、葉緑体へ運んで葉焼けや枯れを軽減したり防いだりするという。
チームはシロイヌナズナを使い研究した。運搬タンパク質は葉の表側にある葉緑体入り口に多く集まっており、作られないようにすると、葉緑体のビタミンCが減り、光によるダメージを受けやすくなった。
このタンパク質は多くの種類の植物にあり、今後は刺激を与えるなどして活発に働くようにし、ビタミンCが多く運ばれるように研究を進める。
岡山大の宮地孝明准教授は「環境変化で植物の生育地が減っている。食料問題や地球温暖化が解決できるかもしれない」と話す。成果は英科学誌電子版に発表した。〔共同〕