認知症の高齢者らの度重なる徘徊(はいかい)を防ごうと、大阪府警は4月から、保護した人の情報を自治体に提供し、自治体はケアマネジャーらの家庭訪問などで適切な治療やケアにつなげる新制度を始める。認知症による徘徊は家族が遠慮して、専門機関に伝えない例が多いとされ、全国的にも珍しい連携に踏み切る。
迷子や泥酔者らを含め、府警が2015年に保護した人は警視庁に次いで多い2万6365人。うち高齢者の迷い人が35%の9231人を占め、3人に1人は過去にも保護されていた。
新制度では、警察署が認知症とみられる高齢者らを保護した場合、本人や家族の同意を得て、氏名や住所、年齢、症状、必要な支援内容などを書面で自治体に提供。自治体は介護サービスの相談窓口を家族らに紹介する。すでにサービスを受けていた場合は担当の介護事業者に報告し、ケアマネジャーらが本人や家族に会って適切なケアを提案する。必要に応じ、専門医への受診や入院も勧める。
城東署は昨年5月、大阪市城東…