東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故からの復興を担う人材を育てる、福島県立の中高一貫校「ふたば未来学園」の開校・入学式が8日、仮校舎である同県広野町の町立広野中学で開かれた。この日先行して開校した高校には1期生の152人が入学。人材教育を通じて復興を目指す新たな取り組みが幕を開けた。
冷たい雪が降る中、真新しい制服を着た新入生らは、期待を胸に校門をくぐった。避難先から通学する富岡町出身の女子生徒(15)は「イラストレーターを志望している。自分が描く絵で被災地を元気にしたい」。同校の寮に入るいわき市出身の男子生徒(15)は「介護士の資格を取って高齢者の役に立ちたい」と抱負を語った。
午前10時に始まった開校式には、内堀雅雄知事のほか地元町村の関係者らが出席した。
入学式では、新入生代表として壇上に立った日下雄太さんが「悩むこともあるだろうが、福島の未来を支え、社会に貢献できる人材になれるよう頑張りたい」と力強く誓いを述べた。
同校は多様な授業科目を自由に選択して学べる総合制高校。震災前に同県双葉郡にあった5つの県立高校に代わる進学の受け皿となる。郡内8町村の中学校と連携し中高一貫教育を行う。
宇宙飛行士の山崎直子さんら各界の第一人者が特別授業を行うほか、地元住民との交流を通じて地域に開かれた学校を目指す。