岩手県漁業協同組合連合会(大井誠治会長)はヤマト運輸と組み、香港への水産物輸出に乗り出した。ヤマトが香港で開設したインターネット通販サイトに秋サケの加工品「鮭三昧(さけざんまい)」(運賃込み1箱6500円)を掲載し、国際クール便で1箱から配達する。
鮭三昧は岩手で漁獲したサケを甘塩、みりん、粕(かす)、西京漬け、三升漬けの5種類に味付けした商品で、1箱に5種類の味が2切れずつ、計10切れ入っている。香港の日本料理店などに鮭三昧をPRしている。まず月間20箱の出荷を目指しており「反応を見ながら50~100箱に増やしていきたい」(同漁連)という。
14日、県漁連盛岡冷凍工場(岩手県矢巾町)で宅配便トラックの出発式があった。あいさつに立った県漁連の大井会長は「新たな輸出ルートの開拓は、岩手の水産業の復興に向けた強力な後押しになる」などと述べた。
東日本大震災からの復興支援として、県漁連に段ボールの費用助成や魚箱の寄贈などをしてきた農林中央金庫がヤマトとの連携を仲介した。同金庫は今回、鮭三昧の中国語リーフレット千部の作成費約80万円も助成した。