昨年1年間に出会い系以外の交流サイトを通じて性犯罪などの被害に遭った18歳未満の子供は1421人で、2008年の調査開始以来、過去最多となったことが16日、警察庁のまとめで分かった。無料対話アプリで電話やメールのやりとりに必要なIDを、見ず知らずの相手と交換するネット掲示板を使って被害に遭う子供が増加。15歳以下の被害が5割を超え、低年齢層が目立っている。
同庁は「スマートフォン(スマホ)を使って被害に遭うケースが多い。保護者はフィルタリング(ネットの閲覧制限)機能を使って有害サイトへのアクセスを制限するなど対策を講じてほしい」としている。
被害に遭った子供は前年の1293人から1割増え、過去最多を更新した。無料対話アプリ「LINE(ライン)」などのIDを交換する掲示板を通じた被害が目立ち、14年は前年比87人増の439人だった。無料対話アプリはIDさえあれば、相手の電話番号やメールアドレスを知らなくても直接やり取りができる。ツイッターを使った被害も108人と、前年の約5.7倍に急増した。
罪種別の被害をみると、淫行などの青少年保護育成条例違反が711人と5割を占め、児童ポルノが358人、児童買春が260人と続いた。年齢別では17歳が340人、16歳が338人の順に多い一方、15歳以下の子供の割合は52.3%を占めた。18歳未満の利用が法律で禁止されている出会い系サイトと比べると、13.5ポイント高い。
被害に遭った子供のうち、携帯電話を使ってサイトにアクセスしたのは1276人。スマホの利用は全体の78.7%にあたる1118人だった。サイトを利用する際に年齢などプロフィルを詐称していた子供も3割いた。
一方、出会い系サイトを通じて犯罪の被害に遭った子供は減少傾向にある。08年は724人だったが、13年は159人、14年は152人となった。警察庁は08年の法改正で事業者の届け出制を導入したことなどが減少につながっているとみている。