23日の東京外国為替市場で円相場は反落した。17時時点では1ドル=119円86~88銭近辺と、前日22日の同時点に比べ29銭の円安・ドル高水準で推移している。9時すぎに120円10銭近辺と14日以来、約1週間ぶりの円安・ドル高水準を付けた。米住宅市場の回復見通しなどから前日のニューヨーク市場で円売り・ドル買いが優勢だった流れを引き継いだ。朝方はオセアニア通貨やスイスフランに対して一時ドル買いが膨らみ、円安・ドル高につながった面もあるようだ。
ただ円の下値は堅かった。国内輸出企業が5月の大型連休を控えて早めに円の手当てに動き、円を支えたほか「日本の個人投資家が相場の流れに逆らう『逆張り』で円を買っていた」(FX会社)という。さらに日銀の黒田東彦総裁や岩田規久男副総裁が23日の参院財政金融委員会での答弁で述べた内容に目新しさがなく、「追加緩和に踏み込んだ発言を期待し円を売り持ちにしていた一部の市場参加者が反対取引を急いだ」(邦銀の為替ディーラー)とみられる。
9~17時の円の高値は119円67銭近辺で値幅は43銭程度だった。
円はユーロに対しては反発した。17時時点では前日の17時時点に比べ48銭円高・ユーロ安の1ユーロ=128円07~11銭近辺で推移している。16時30分ごろには一時127円90銭近辺まで上げた。対ドルでのユーロ売りが波及し円高・ユーロ安の方向に振れた。フランスとドイツで発表された4月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値がいずれも市場予想を下回り、ユーロ売りが膨らんだ。
ユーロはドルに対し反落した。17時時点では同0.0067ドルユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.0684~87ドル近辺だった。16時30分ごろに1.0666ドル近辺まで下げ幅を広げた。米ドル高の流れが続いたうえ、ギリシャ債務問題への警戒感もくすぶりユーロ安・ドル高が進んだ。独仏のPMIもユーロ売りを誘った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕