大阪市を分割、再編する「大阪都構想」の住民投票の期日前投票が始まった28日、市内では賛成派、反対派双方が大規模な集会を開くなど投票運動が本格化した。
都構想に関する集会に参加した市民ら(28日、大阪市)
府立体育会館(同市浪速区)では、反対派団体が市民ら6千人以上を集めた超党派の大規模な集会を開いた。出席した自民党の柳本卓治参院議員は「財源を府に取られ、特別区の行政サービスが向上できるはずがない」と強調。共産党の山下芳生書記局長(参院議員)も「仮に賛成多数になっても『都』にはならない。市民サービスも切り捨てられ、暮らしもつぶされる」と批判した。
公明党も28日から支持者向けの集会を開始。城東区民ホールでは、同区選出の明石直樹市議団幹事長が住民投票で反対に投票するよう訴えた。明石氏は約400人の出席者にスライドを用いながら「福祉などの予算が削られる恐れがある」などと批判したという。
推進する大阪維新の会の松井一郎幹事長(府知事)は同日午前から市内5カ所で街頭演説。午後7時からは住吉大社(同市住吉区)の宴会場で約500人の来場者を前に「5特別区に分割すれば役所が身近になり、税金の無駄遣いの情報も皆さんに入るようになる」などとメリットを約40分にわたって解説した。
一方、市選挙管理委員会は同日、公報の掲載順を決めるくじ引きを実施。1、2ページ目には反対する公明、自民など野党各派が編集したページ、3ページ目には維新のページが掲載されることが決まった。5月1日以降、有権者のいる市内の全世帯に配布される。