北関東3県で小型の無人飛行機(ドローン)の飛行を規制する動きが広まっている。県営公園や、観光施設などで無断飛行の禁止を告げる紙などを張り出した。全国でドローンの落下事故などが相次ぐ一方で飛行を直接禁止する法律はなく、自治体などはすでにある条例の活用などで対応を急ぐ。
茨城県は偕楽園(水戸市)などを含む県内22カ所の県営都市公園について、ドローンの無断飛行の禁止を決めた。今後、公園内にその旨を記した貼り紙をする。
県条例では「管理に支障のある行為」を禁止すると明記してあるが、この中にドローンの飛行も含まれると解釈する。違反者には5万円以下の過料も発生する。今後公園内でドローンを飛ばす際には県に申請した上で、職員が付き添い、周辺に人がいない時間に限り許可を出すという。
栃木県も総合運動公園(宇都宮市)、中央公園(同)など県営公園9カ所すべてで、ドローンの飛行を禁止した。ここでも園内に飛行禁止の張り紙をした。
同県も都市公園条例のなかで「利用および管理に支障を及ぼす行為」を禁止すると定めており、無線操縦のヘリコプターなどと同様にドローンもこの行為に該当するという。
宇都宮市も5月中に49カ所ある中規模以上の公園にドローン禁止をうたう看板を設ける。同市は都市公園利用管理基準で「ほかの利用者の妨げとなるなど市民の自由理由に支障を及ぼす」などの行為を禁じており、ドローンはこれに該当するとみている。
群馬県も本庁舎でのドローンの飛行を禁止する。県の管理規則では来庁者や職員に不安や迷惑を覚えさせる行為を禁止すると定められている。県管財課は「ドローンの飛行は規則に触れる」と判断し、飛ばす人を発見した場合は同課に知らせるよう、警備員らに促した。
観光施設でも対応が進む。花のテーマパークとして知られる「あしかがフラワーパーク」(栃木県足利市)では、4月19日に園内で開いたコンサートで来場者の1人がドローンを飛ばした。従業員が気づいてやめさせたため、問題は起きなかったという。
同園は今のところ特段の貼り紙やアナウンスはしておらず、従業員が見つけ次第、口頭で注意していく方針だ。
那須どうぶつ王国(栃木県那須町)ではこれまでのところ、ドローンを飛ばされた事例はないという。ただ鳥のショーを実施しており「飛ばされたら大変。鳥以外の動物も飛行物体に敏感に反応するので困る」(鈴木和也総支配人)と話す。今後、ドローンを飛ばす客が出た場合には、ホームページ上で周知するなど対策を徹底する方針だ。
国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)では、以前から無線操縦のヘリコプターなどの持ち込みを禁止しているがドローンもその対象とする。持ち込みの事例はまだないというが「今後持ち込む客が出てくることも想定される」ため先手を打つ。