わんずまざー保育園で、2月23日に2歳児に出された給食。外注した約40人分の給食を定員を超える約70人の園児に分けていた(兵庫県姫路市提供)
兵庫県姫路市の私立認定こども園「わんずまざー保育園」(小幡育子園長)で、定員の約1・5倍の園児を受け入れていたことがわかった。県と市は特別監査で保育士数の水増し報告や給食の不備も確認しており、月内にもこども園の認定を取り消す方針。市によると、こども園の認定取り消しは、2015年の子ども・子育て支援新制度の導入以降で全国初という。
わんずまざー保育園は03年11月に認可外保育施設として設立され、15年春に県からこども園の認定を受けた。
姫路市によると、園の定員は46人だが、0~5歳児約70人を受け入れていた。実際は10人の保育士数は、13人に水増しして報告。園児の給食についても、約40人分しか外注していなかったという。
このため、1、2歳児の給食のおかずは大きめのスプーン1杯分程度だった。休んだ園児の給食は冷蔵・冷凍保存し、後日解凍して給食に出したケースもあり、1カ月以上たったものもあったという。市こども保育課の担当者は「給食は量も栄養も不足し、十分な食事がとれていない」と指摘している。(高橋孝二)