【北京=島田学】日本で昨年夏に公開されたアニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」が28日午前、中国で上映された。一般の映画館で日本映画の新作を上映するのは2012年7月の「ウルトラマン」シリーズ以来3年ぶり。5歳の息子と一緒に訪れた李麗さん(30)は「ドラえもんは私たちの世代のスターだ。子どもと一緒に楽しみたい」と語った。
中国政府は、外国の新作映画の上映を年間約30本までと制限する。日本が12年9月に沖縄県の尖閣諸島を国有化して以降は、日本映画の上映を一切認めなかった。昨年11月に安倍晋三首相と習近平国家主席が初めて会談した直後から、日中双方の映画関係者が中国政府への説得を始め、ようやく上映にこぎ着けた。
23日には、習氏が日中関係の改善に意欲を示す演説をしたばかり。中国の子どもにも広く愛されているドラえもんが、日中関係の改善ムードに追い風を吹かしてくれるのではないか、と期待する外交関係者も多い。