政府は26日午前、すべての女性が輝く社会づくり本部(本部長・安倍晋三首相)の会合を首相官邸で開き、女性の社会参画を広げるための47の施策を盛り込んだ重点方針を決めた。理工系の女子学生の増加を後押しするほか、司法、教育、農業などの分野でも女性比率を高める政策を強化する。各省庁で事業を具体化し、2016年度予算の概算要求に反映させる。
会合で首相は「女性活躍を加速するための予算、制度改革の検討を精力的に進めてほしい」と全閣僚に指示した。重点方針は(1)女性参画拡大(2)社会課題解決を主導する女性育成(3)女性活躍の環境整備(4)暮らしの質向上(5)予算編成の調整――の5つを柱にまとめた。
社会的課題を解決する分野での女性の役割を重視する一環として、司法分野で法科大学院に対する公的支援の枠組みを使い、女性の法曹を重点的に養成する。
教育では学校現場で教頭以上への昇進を望まない女性教員が多いことから、昇進を希望する教員への研修に女性枠を設定するなど意欲を引き出す施策を検討する。成長戦略で重視する農業では女性が働きやすい環境を整備する農業法人の表彰などに取り組む。
女子学生の理工系への進学を促す産学官ネットワークの構築や、出産・育児を理由に仕事を辞める状況に追い込む「マタニティーハラスメント」の防止に向けた法整備も盛り込んだ。
大手企業などに女性登用の数値目標を求める女性活躍推進法案は今国会で成立する見込み。重点方針では女性登用目標の設定など法律の内容を大企業や自治体の間で浸透させるための取り組みも挙げた。