総務省が26日発表した5月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり28万6433円で、物価変動の影響を除いた実質で前年同月に比べ4.8%増加した。前年同月を上回るのは1年2カ月ぶりで、QUICKがまとめた市場予想(3.3%増)を上回った。
昨年4月の消費増税以降、耐久消費財や食料品など幅広い品目で消費が低迷していたが、増税の影響が一巡した。冷蔵庫やエアコンといった白物家電や住宅リフォーム、保存調味料などの支出が持ち直した。総務省は「消費増税前の水準には戻っていない」としたものの、消費支出の基調判断について「このところ持ち直している」で据え置いた。判断維持は27カ月連続。
勤労者(サラリーマン)世帯の1世帯当たりの消費支出は31万7317円で、前年同月比7.5%増と2カ月連続で増加した。実収入は1.5%増の43万325円と2カ月連続で増加した。
消費支出の内訳をみると、住宅リフォームなどの住居が23.6%増、白物家電が持ち直した家具・家事用品は19.3%増、自動車購入費がけん引した交通・通信は14.8%増。一方、円安で外国パック旅行が落ち込んだ教養娯楽は1.9%減だった。
高額でぶれが大きい住居と自動車を除いた消費支出は3.7%増と前年実績を2カ月連続で上回った。〔日経QUICKニュース(NQN)〕