兵庫県南あわじ市(淡路島)で4月、7個まとまって見つかり「松帆銅鐸(まつほどうたく)」と名付けられた古代の青銅祭器について兵庫県教育委員会などは26日、エックス線CTスキャン計測したところ内部に詰まっている土の中から、音を鳴らすためにつり下げた青銅製の棒「舌(ぜつ)」を新たに4つ確認したと発表した。
舌はすでに3個を確認済みで、7個の銅鐸全てが舌を伴った状態で埋納されたことが分かった。県教委は「一緒に見つかるのは極めて珍しい」としている。
7個のうち3組6個は、大きい銅鐸に小さい銅鐸をはめ込んだ「入れ子」の状態で発見された。うち1組は発見時に取り外したところ2本の舌を発見。残り2組は内側の銅鐸を外さず、砂や小石が詰まった状態のまま調査していた。
奈良文化財研究所でCTスキャン計測したところ、いずれの銅鐸も長さ8~13センチの舌を伴っていることが確認できた。位置からみて舌をひもで取り付けた状態のまま入れ子にし、埋納されたとみられるという。
同研究所の難波洋三・埋蔵文化財センター長は「舌には、つり下げていたひもの痕がさび付いて残っている可能性もある」と指摘。「舌は木製との見方もあったが青銅製が通常だったのだろう。使用法を検討する上で極めて貴重な資料だ」と話している。
松帆銅鐸はいずれも弥生時代前期末~中期初頭(紀元前3~同2世紀)の古い型式。高さは22~32センチで小型の部類。