警察が逮捕した後の容疑者の取り調べの録音・録画(可視化)について警察庁は15日、裁判員裁判の対象事件では原則として可視化するなどとした新たな試行指針を定めた。同庁は、10月1日から新指針に基づき可視化を実施するよう都道府県警に指示した。
刑事司法改革関連法が成立し、3年後の2019年6月までに、裁判員裁判になる事件は原則全過程の可視化が義務づけられるため、その制度に合わせ対象などを規定し直した。これまでは捜査上の判断から実施しないといったことが認められていたが、その余地をなくした。
警察は08年度の途中から裁判員裁判の事件を対象に、容疑を認めている容疑者の自白調書の読み聞かせなどの場面で可視化の試行を開始。その後、否認の容疑者など対象の容疑者や場面を広げてきた。
13年8月に定めた従来の指針では、可視化の対象について、裁判員裁判となる事件で「公判で供述の任意性、信用性で争いが生じる恐れがあるなど、裁判所の判断に有効と認められるもの」と規定。「捜査上、立証上、相当と認められる場面を選択し、必要の都度、実施する」とし、捜査に支障がある場合などは除外するとしていた。
新指針では、機器の故障や容疑者が拒んだ時など法律が定める四つの例外事由を除き、「実施する」と明記。裁判員裁判の対象でない死体遺棄容疑で逮捕した容疑者を関連の殺人容疑で調べるケースなど「制度対象事件に関する事項に及ぶ見込みがある場合」も可視化の対象とした。
また、それらに該当しない事件…