東海道新幹線の放火事件で、神奈川県警は3日、火災があった新幹線「のぞみ225号」の現場検証で2号車2列目の座席まですすが付着していたことを確認した。焼身自殺した林崎春生容疑者(71)はガソリンを自分の体にかけて着火しており、密閉された車内で熱風と煙が一気に広がったとみている。
容疑者宅から押収した金属製携行缶から微量のガソリンが検出されたことも分かった。県警は、この携行缶を使ってガソリンを調達、ポリタンクに移し替えて乗車したとみている。事件前日、自宅近くで約7リットルを購入したことが判明している。
三島車両所(静岡県長泉町)での現場検証は3日午後に終了。県警によると、巻き添えで死亡した横浜市青葉区の整体師、桑原佳子さん(52)が倒れていた1号車と2号車の間のデッキはすすだらけだった。
林崎容疑者が倒れていた1号車前方の通路付近の燃え方が特に激しく、床の表面や、3列目までの座席の背もたれが、いずれも熱で溶けてアルミ材がむき出しになっていた。天井にある蛍光灯のプラスチック製カバーも溶けていた。運転席に異常はなかったという。〔共同〕