豊臣秀吉の弟・秀長(1540~91年)が城主だった郡山城(奈良県大和郡山市)で、天守台の石垣の解体修理が11月14、15日に一般公開される。自然の石を積む「野面積み」という工法で組まれており、市の担当者は「豊臣期の石垣内部を見られる貴重な機会」と話している。
市によると、石垣は高さ約9メートルで、400年以上前に組まれた。天災などで一部の石がずれて不安定になっていたため、市が天守台の北側や西側の石垣の一部を解体し、石を組み直す。
現場では、石垣の表面に置かれ、最大約2.8トンにもなる「築石」がクレーンで外され、築石の裏側に多数詰められた大小さまざまな「裏込め石」や、その内側にある盛り土が姿を見せ、天守台の構造を観察できる。
郡山城はこれまで天守閣の存在が分からなかったが、2014年の発掘調査で、天守台から23個の礎石が出土、高さ約15~20メートルの建物があったとみられることが判明した。築城技術に分からない点が多い豊臣期の城郭研究にとって貴重な成果として注目されている。〔共同〕