屋根の至る所に草が生えていた熊本城=10月6日、熊本市中央区、金川雄策撮影(市の許可を得てドローンで撮影)
熊本地震で被害を受けた熊本城について、熊本市が復旧基本方針の草案をまとめた。早期復旧を目指す天守閣にエレベーターを設置するほか、石垣や建造物の文化財的価値を保ちつつ耐震化を進めるなど七つの基本方針を盛り込んだ。8日、有識者でつくる懇談会に諮って最終案を固め、国や県を交えた議論を経て正式に方針を決める。
複数の市関係者が明らかにした。復興のシンボルとして2019年の復旧を目指す天守閣は、大天守の最上階(6階)につながるエレベーターを設置し、入り口に車椅子用のスロープをつけるなどバリアフリー化を進める。現状では最上階に行く手段は階段しかないため、エレベーター設置により障害者や高齢者も利用しやすくなる。鉄骨で補強して耐震化も進める。
全体の約3割の修復が必要な石垣は、建物の基礎になっている部分の復旧を優先する。文化財としての価値を保つため、石垣や建造物の復旧は伝統的な工法を基本としつつ、耐震化などの安全対策に最新技術を採り入れることも検討する。
このほか、熊本地震を機に過去…