大阪府東大阪市の小中学校の耐震補強工事を巡る贈収賄事件で、収賄容疑で逮捕された同市建設局建築部政策推進担当官(部長級)、福田逸亮容疑者(57)が2012年春ごろ、贈賄側の建設会社がノウハウを持つ特定の工法について「小中学校の耐震補強工事で数多く採用するように」と市役所で複数の部下に指示していたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。
東大阪市は12年4月以降、小中学校の耐震補強工事を本格化。府警捜査2課は、福田容疑者がこの時期に部下に特定の工法を優先する意向を明確に示すことで、贈賄側建設会社が下請けとして参入しやすいようにする狙いがあったとみて、指示の詳しい内容を調べている。
捜査関係者などによると、福田容疑者が優先採用の意向を示した工法は「デザインフィット工法」と呼ばれるもので、工期が短く騒音が少ないなどの特長がある。贈賄側の建設会社「キーマン」(同市)は市内で唯一、この工法での施工が可能な業者だった。