秋田市の肥料製造会社「太平物産」が有機肥料の原料割合などの表示を偽装していた問題で、同社の佐々木勝美社長が9日、問題発覚後初めて記者会見し「偽装は少なくとも10年以上前から行われていた」と説明。「消費者の信頼を損ない、農家や関係する皆さまに深くおわびする」と謝罪した。
同社が長年にわたって有機肥料と偽り、有機成分の足りない肥料を出荷していたことが判明。佐々木社長は農林水産省などの調査結果が出るのを待って、退任する考えを示した。
佐々木社長によると、同社の各工場で、成分表示の偽装を含んだ製造指示書が前任者から代々引き継がれていた。偽装の理由は「コスト削減のため、現場の判断でやったと推測される」と説明。最近10年間では、現工場長や前任者ら8人程度が偽装を認識していたといい、「会社ぐるみと言われても仕方ない」と話した。社長自身は、今年10月中旬に初めて偽装を知ったという。
有機肥料の中には、有機成分が約5割含まれるはずが、2割程度しかないものもあった。〔共同〕