20日に62歳で急逝した元横綱で日本相撲協会の北の湖理事長の遺体は22日、大相撲九州場所が開催されていた福岡市から東京都江東区の北の湖部屋へ移された。出迎えた同部屋の力士や関係者は沈痛な表情を浮かべ「ゆっくり休んでください」と手を合わせた。
遺体は福岡市を21日夕に出発し、陸路で運ばれた。福岡ナンバーの車が22日午前11時ごろに部屋の前に到着すると、関係者らは白い布に包まれた大きな体を大事に抱えて部屋に入った。
北の湖部屋の幕下鳰の湖さん(28)は、「亡くなる前日まで理事長の仕事についたのを誇りに思います」との、おかみさんのとみ子夫人のコメントを代読。「自分も苦しい姿をずっと見てきたので、ゆっくり休んでほしい。今までありがとうございます」と声を詰まらせて涙を拭った。
部屋の前では早朝から通行人が足を止める様子も。東京都江東区の会社員、安藤徳子さん(67)は「家から少し歩いて手を合わせに来た。無愛想だけど本当は情がある方だったと思う。残念です」と話した。〔共同〕