【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムが電機メーカーと組み、洗剤などの補充品の残量が少なくなった場合に自動的に発注する機能を持つ家電や情報機器の開発、販売に乗り出した。米ゼネラル・エレクトリック(GE)と開発した洗濯機などをすでに発売。あらゆるものがインターネットにつながる「IoT」の広がりをとらえ、ネット通販事業の拡大をめざす。
家電や情報機器のセンサーで補充品の残量を把握し、少なくなればアマゾンのネット通販で自動的に注文して家庭や会社に配達する仕組みだ。GEの洗濯機では洗剤の注入量を毎回、自動的に調整できるモデルでアマゾンへの自動発注の設定ができるようになった。
ブラザー工業とはインクなどを自動的に発注する印刷機を開発した。45以上のモデルが対象で、ネットに接続し、同社のウェブサイトから登録するだけで自動発注が可能になるという。
米検査器メーカー、フィロシスとの間でも、スマートフォンと連携する血糖値測定器で検査紙と針の自動発注を可能にした。米家電大手ワールプールも洗剤をアマゾンに自動発注できる食洗機の開発に入った。韓国サムスン電子なども対応印刷機を開発中。変わり種ではペットフードを自動発注する餌やり機といった製品の開発も進んでいる。
アマゾンはこれまでも家電などに後付けする補充品の自動発注ボタンを販売してきた。自動発注する機能を製品にあらかじめ組み込むことで、補充品の流通にさらに食い込みたい考えだ。