特別公開が始まった仁和寺の経蔵=29日午後、京都市右京区、内田光撮影
京都の17社寺が参加する春の「京都非公開文化財特別公開」が29日、始まった。世界遺産で真言宗御室(おむろ)派総本山の仁和寺(にんなじ、京都市右京区)では、お経の本棚ともいえる輪蔵(りんぞう)のある経蔵(国重要文化財)が公開されている。
京都非公開文化財 2016春の特別公開
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江戸時代前期の17世紀の建造で、内部中央に八面体の回転式の書架が設けられている。各面に96箱、計768の経箱が備わり、多数の経典を集めた天海版の一切経が納められている。輪蔵の周囲には釈迦如来などが安置され、壁面に八大菩薩(ぼさつ)などが描かれている。
内裏(だいり、天皇の住まい)から移築された紫宸殿(ししんでん)の現存最古の遺構の金堂(国宝)も公開されている。
特別公開(朝日新聞社特別協力)は5月8日まで。1カ所あたり大人800円、中高生400円(一部異なる)。拝観料収入は文化財の保存や修理に役立てられる。問い合わせは主催の京都古文化保存協会(075・754・0120)へ。(久保智祥)