京都市右京区の世界遺産・仁和寺が運営する宿坊の元料理長の男性(58)が長時間労働を強いられ、精神疾患を発症したとして、時間外の未払い賃金など約4700万円を求めた訴訟の判決で、京都地裁は13日までに、約4200万円の支払いを寺に命じた。
判決理由で堀内照美裁判長は「極めて過酷な長時間労働を強いて、多額の時間外手当を労働基準法に違反して支払っておらず悪質」とし、業務と発症との因果関係も認めた。
判決によると、男性は2004年から境内の宿坊「御室会館」で調理業務に従事し、05年には料理長になった。12年8月に精神疾患の診断を受けて休業。発症前年は1年間の勤務日数が356日に及んでいた。
判決後、男性は「人生を一歩前に進める」と話し、仁和寺の担当者は「厳しい判決。主張がほとんど認められず、残念に思う」とコメントした。〔共同〕