京都市右京区の世界遺産・仁和寺の門前で進んでいる24時間営業の出光興産のガソリンスタンドやコンビニ「ローソン」の建設計画が、景観を悪化させ火災発生のリスクを高めるとして、寺と住民らが18日までに京都簡裁に民事調停を申し立てた。17日付。
寺側によると、2店舗の併設計画が明らかになったのは今年4月。重要文化財の二王門から約20メートル離れた約2885平方メートルの土地で、以前は資材置き場だった。世界遺産の周辺環境を保護するための区域「バッファゾーン(緩衝地帯)」内にある。
申立書では、ガソリンスタンドの営業で「引火危険物が大量に貯蔵される」と指摘。2店舗とも営業時間が長く「静穏な環境・景観が害される」としている。寺と住民らは営業時間短縮や業態変更を事業者側に申し入れたが、拒否された。
仁和寺の河西孝典総務部長は「守って残さないといけない地域。どのような思いで計画に取り組んでいるのか聞きたい」と話した。
出光興産は「内容を踏まえて対応したい」とし、ローソンは「内容を確認し、真摯に対応したい」とコメントした。〔共同〕