東京メトロ銀座線渋谷駅のレール破損場所
東京メトロでレールの破損が相次いでいる。銀座線渋谷駅で9日、レール1本が完全に破断しているのが見つかった。6日には東西線東陽町駅で亀裂が見つかったばかり。メトロは原因究明を急ぐとともに、全線のポイント部分720カ所を緊急点検する予定だ。
銀座線渋谷駅でレール折れる 東京メトロ、全線点検へ
銀座線渋谷駅では9日午前8時ごろ、駅から車庫に約70メートル向かったところにあるポイント部分のレール(幅63・8ミリ、高さ138ミリ)が破断して左右にずれ、1~2センチの隙間があるのが見つかった。2009年に交換したもので、4月18日に実施した年1回の超音波を使った定期点検と、5月6日実施の月3回程度の目視検査の際には、異常は見つからなかったという。
東京メトロは午後0時40分まで5時間近く渋谷―溜池山王間で上下線の運転を見合わせ、約9万9千人に影響が出た。
6日には東西線東陽町駅(東京都江東区)のポイントでも、レールに約15センチの亀裂が入っているのが見つかった。ここも09年に交換したものだという。
東京メトロによると、レールの交換時期は決まっておらず、検査で異常があった場合などに随時交換しているという。
関西大社会安全学部の安部誠治教授(公益事業論)は「製造不良、メンテナンス不足、荷重の負荷、気温の寒暖差などが原因として考えられる。09年の交換なので経年劣化には早い。レールの破損は重大な事故につながりかねないし、他でも起こりえる。早急に原因を突き止めるべきだ」と話す。(石山英明)