日本ハムが2004年から本拠とする札幌ドーム
プロ野球の日本ハムが移転を前提に、新しい本拠球場の建設を検討していることが24日、明らかになった。構想では3万人規模で天然芝、開閉式の屋根付き。札幌市内や周辺自治体の15~20カ所で候補地を選んでおり、今年中に方向性を出す。
日本ハム、新球場建設を検討 札幌ドームからの移転前提
現在の本拠、札幌ドーム(同市豊平区、約4万1千人収容)は札幌市の所有で同市と道内企業が出資する第三セクターが運営している。日本ハムは2004年、東京ドームから本拠を移転。順調に観客動員を伸ばしてきたが、09年の199万2172人をピークに頭打ちになっている。
楽天やDeNAは成績がふるわなくても、球場と一体になったファンサービスは観客から好評だ。日本ハムの球団幹部は「現状ではソフト、ハード面を統合したサービスを実現できていない。もう一段、二段上のファンサービスを実現しないと地域貢献できない」と新球場の狙いを説明する。
また、札幌ドームは多目的ドームのため、必ずしも野球に最適な環境でなく、「観客席の傾斜角やトイレ数など、来場者から改善要望は多かった」と別の球団幹部。使用料は条例で決まっており、観客数が2万人までの場合は1回あたり800万円が上限。2万人を超えると、1人あたり400円の追加料金が発生する。清掃、警備費などを含めると球団の負担は年間約13億円になるという。
新球場の事業費は最大で500億円程度を見込む。ただ、建築資材や人件費の高騰もあり、予定通り進むとは限らない。また、札幌ドームは最寄りの地下鉄駅から札幌駅まで約13分と交通の便が良く、これ以上の立地条件を探すのは容易ではない。球団の竹田憲宗社長は「検討段階だが、北海道のために一番いい形にしたい」と話した。(山下弘展)