国際的な株価指数の開発・提供をする米モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)は14日(日本時間15日)、提供する「新興市場指数」への中国本土株の組み入れを見送ると発表した。中国では組み入れによる資金流入が期待されており、市場の波乱要因となる懸念がある。
投資信託などで集められた世界の資金の多くは、MSCIの指数と連動するように株を売り買いする。このため、新たに採用された市場の株式は大量に買われる。最大の新興市場である中国株が採用されれば、長期的には4千億ドル(約42兆円)規模の流入効果があるともされる。
中国株の採用が検討されたのは3度目。課題とされてきた国外からの売り買いのしにくさが規制緩和で改善しており、中国で「採用の可能性が高い」と期待されていた。
今回の見送りの要因とされるのが、昨夏の株価急落の際、中国当局が取った対策だ。株式の売買停止を簡単に認め、政府ぐるみの大量の買い支えで株安を食い止めた。国際的に「市場がゆがめられた」と不信を呼び、敬遠された可能性がある。(ハルビン=斎藤徳彦)