橋本秀樹さん=遺族の代理人提供
バングラデシュ・ダッカで起きた襲撃事件で、犠牲になった橋本秀樹さん(65)の遺族が6日、代理人を通じてコメントを出した。「衝撃・悲しみは、到底言葉で言い表せず、まったく受け入れられない」と無念さをにじませた。
特集:ダッカ襲撃事件
橋本さんは1974年に旧国鉄に入社し、鉄道事業に長年携わってきた。今春、オリエンタルコンサルタンツグローバル社に入社。国際協力機構(JICA)が委託した鉄道事業の調査のため、6月10日にダッカ入りしていた。
遺族は「今まで培ってきた鉄道建設の知識や技術をバングラデシュの発展のために生かし協力したいと、これからの人生に新たな志を持っていた夫、父を大変誇りに思っている」。今月9日には帰国する予定だったという。
家庭では一家の大黒柱だったといい、「今は安らかに眠ってもらいたいという思いしかなく、静かに送り出すことだけで精いっぱい」とつづった。
福岡県の高校の同級生で、柔道部でも一緒だったという男性(66)は「悔しいし、苦しいよ。先輩にもかわいがられ、友達も多いやつだった」と話した。
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バングラデシュ・ダッカで起きた襲撃事件で、犠牲になった橋本秀樹さん(65)の遺族が6日、代理人を通じて報道機関にコメントを出した。全文は以下の通り。
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自分に厳しく、他人に優しく、家庭をとても大事にしていた夫、父は、家族にとって、正に一家の大黒柱でありました。
そうした夫、父を、今回の事件で突然亡くしてしまった衝撃・悲しみは、到底言葉で言い表すことはできず、現時点ではまったく受け入れることができておりません。
今まで培ってきた鉄道建設の知識や技術をバングラデシュの発展のために生かし協力したいと、これからの人生に新たな志を持っていた夫、父を大変誇りに思っており、その志半ばでこのようなことになってしまったことは、無念でなりません。
家族としましては、今はとにかく、夫、父に安らかに眠ってもらいたいという思いしかなく、静かに送り出すことだけで精いっぱいでございます。
報道関係者の皆様におかれましては、そうした心情を酌んでいただき、何とぞ静かに見守っていただきますようお願い致します。