都知事選立候補表明の記者会見をする小池百合子衆院議員=6日午後5時35分、東京・永田町の衆院第1議員会館、飯塚晋一撮影
14日告示の東京都知事選に出馬の意向を示していた小池百合子衆院議員=衆院東京10区=が6日、都内で記者会見を開き、自民党からの推薦がなくても立候補すると表明した。自民都連は元総務相の増田寛也氏を擁立する方向で調整を進めており、「保守分裂選挙」となる可能性が高まった。
特集:2016東京都知事選
「このままでは推薦が得られない。不本意ながら、パラシュートなしで(崖の下に飛び降りる覚悟で)の立候補となります」
小池氏は会見で、こう決意を明かした。5日に都連の石原伸晃会長に会い、推薦を依頼。10日投開票の参院選後に結論を出すとした都連の対応について、「政策論争を封じることになる。そもそも準備ができない」と批判。党の推薦を得られなくとも、「むしろしがらみのない都民の目線で戦える」と述べた。
そのうえで、実現したい施策に「(都議会の)冒頭解散」「利権追及チーム」「舛添問題の第三者委員会設置」の3項目をあげた。
特に、増田氏の擁立を目指す都議会自民党や都連への対決姿勢をあらわにした。都議らが中核となる都連は、了承を得ずに出馬表明をした小池氏に反発している。小池氏は「都議会と都民の分裂がある。特に東京の都連はブラックボックスのようだ」と改革の必要性を強調。都議会の解散は、議会が知事に対する不信任決議案を提出し、可決されることが前提と説明した。
都政については、舛添要一前知事が策定した「長期ビジョン」を高く評価し、「継承したい」と述べた。先月29日の会見では、東京五輪・パラリンピックへの影響を避けるため、都知事の任期を3年半にすると宣言。具体的な手法を問われ、「公職選挙法に詳しい方に問い合わせ、精査している」とした。
小池氏は一方で、都連への推薦依頼を取り下げたり、離党したりする意思はないと明言。参院選の自民候補の応援は、これまで通り続けるという。
小池氏の会見を受けて、石原氏は6日夜、自民党の谷垣禎一幹事長と対応を協議。その後、報道陣に、10日夜に都連所属の国会議員による会議を開いて経緯を説明し、11日以降に小池氏から都政に関する考えなどを聞くことになったと説明した。
一方、民進党都連が候補者として調整している長島昭久衆院議員は6日、報道陣の取材に、都議会民進からの出馬要請について「光栄だ。声を重く受けとめて真剣に考えないといけない」と述べ、立候補に前向きな考えを示した。参院選後に結論を出すという。
2014年の都知事選で次点だった宇都宮健児・元日本弁護士連合会会長は同日、立候補について報道陣に、「政策や(選挙活動の)態勢の準備は整いつつある。支援の輪がどれだけ広がっているのか見極めて判断したい」と話した。