沖縄県うるま市の女性会社員(当時20)が殺害された事件で、殺人や強姦(ごうかん)致死などの罪で起訴された元米海兵隊員で軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン被告(32)が、裁判員裁判を那覇地裁ではなく東京地裁で受けられるように求めたのに対し、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は請求を棄却する決定を出した。決定は1日付。シンザト被告の公判が那覇地裁で行われることが確定する。
「沖縄で公平な裁判受けられない」 元米兵の弁護人主張
刑事訴訟法は17条で「裁判の公平を維持できないおそれがある時」に管轄裁判所の移転を請求できる、と定めている。シンザト被告は、沖縄県内で事件が大きく報じられ、抗議行動も行われたことなどから、「沖縄県民は被告を厳罰に処すべきだとの予断を持っており、公平な裁判を受けられない」と主張。弁護人の高江洲歳満弁護士が7月4日、管轄裁判所を那覇地裁から東京地裁に移管するよう最高裁に請求していた。
第二小法廷は「裁判員制度では、公平で適正な裁判が行われることが制度的に十分保障されている。那覇地裁で公平な裁判が行われることが期待できないとはいえない」と判断した。
4人の裁判官全員一致の意見。…