大阪市平野区で2002年に起きた母子殺害事件の控訴審で、検察側がこれまで鑑定していなかった現場遺留の押収物について独自にDNA型鑑定した結果、殺人罪などに問われた大阪刑務所職員・森健充(たけみつ)被告(59)=起訴休職中=と一致する型が検出されなかったことがわかった。捜査関係者が明らかにした。検察側は新証拠をもとに有罪立証する方針だったが、極めて困難な状況になった。
新たなDNA鑑定、検察が高裁に請求 大阪の母子殺害
森被告は02年4月、義理の息子の妻(当時28)と長男(同1)を殺害したとして一審で無期懲役、二審で死刑判決を受けたが、最高裁が10年4月に破棄し、大阪地裁の差し戻し審で無罪判決を受け、釈放された。
13年に大阪高裁で始まった控訴審では、検察側の請求で法医学者が凶器のひもなど複数の遺留品のDNA型鑑定を実施。森被告と完全に一致するDNA型は検出されなかったことが6月の公判で明らかになった。
検察側は今回、高裁に追加の鑑…