「全聾(ぜんろう)の作曲家」として脚光を浴びたが、別人が代作していた問題で謝罪した佐村河内守氏が、日本音楽著作権協会(JASRAC)に対し、未払いの楽曲使用料約700万円の支払いを求め、東京地裁に提訴した。6日に第1回口頭弁論があり、JASRAC側は争う姿勢を示した。
佐村河内氏の「作品」をめぐっては、2014年2月に作曲家の新垣隆氏が「ゴーストライター」だったと公表し、その後佐村河内氏が謝罪した。JASRACは同年末、「別人が作曲した疑いが解消されていない」として、103作品の著作権使用料などを徴収する契約を解除した。
訴状などによると、佐村河内氏は問題が発覚してから契約が解除されるまでの間に、「著作権は佐村河内氏に帰属する」ことで新垣氏と合意していたと主張。この間の楽曲使用料が、JASRACから支払われていないと訴えている。
6日の口頭弁論でJASRAC側は、佐村河内氏側が提出した合意書では、新垣氏からいつの時点で著作権が譲渡されたかなどが明らかではなく、時期を明確にすべきだと主張した。