大丸が京都・祇園に出す新店舗のイメージ。もとの建物は1938年以前に建てられたものだという=大丸松坂屋百貨店提供
百貨店大手の「大丸」が、京都の繁華街・祇園の町家を借り上げて新しい店を11月3日に開く。2017年7月まで高級ブランドの「エルメス」が入る。その後は一定期間ごとに、様々な高級ブランドに入ってもらう計画だ。17年に創業300周年を迎えることの一環で、祇園の立地を生かして観光客らを呼び込む。
大丸を運営する大丸松坂屋百貨店が13日、発表した。京都市東山区にある茶屋様式の木造2階建ての町家で、店舗面積は倉庫部分も含め約212平方メートル。約80年前の改築が確認できる建物だという。営業時間は午前11時~午後7時で、休日は未定。
近くには、舞妓(まいこ)や芸妓(げいこ)を呼ぶための座敷があるお茶屋や「都をどり」で知られる「祇園甲部歌舞練場」などがあり、観光客が多い。ここ数年はブランドショップも進出している。
大丸は京都店などの既存の顧客のほか、外国人観光客も取り込んでいく考えだ。「創業の地の京都で歴史を刻みつつ、新しいことにも挑戦していく姿勢を示したい」としている。
大丸は1717年に京都・伏見で呉服店として創業。現在は全国に14店を展開している。(西村宏治)
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●大丸は来年創業300周年となる
1717年 下村彦右衛門正啓が京都伏見に呉服店「大文字屋」を開業
1726年 大阪心斎橋筋のいまの心斎橋店の地に大阪店「松屋」を開く
1728年 名古屋店を開き初めて「大丸屋」と名乗る
1907年 「株式合資会社 大丸呉服店」を設立
1928年 商号を「株式会社 大丸」に
1959年 オリジナル紳士服「トロージャン」を売り出す
2007年 松坂屋ホールディングスと経営を統合し、持ち株会社のJフロントリテイリングを設立
2010年 松坂屋と合併し大丸松坂屋百貨店に