ウイルスや細菌などの異物を攻撃する免疫システムが自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つ「全身性エリテマトーデス」(SLE)の発症を防ぐ仕組みを東京医科歯科大の研究チームがマウスを使った実験で明らかにした。副作用のない薬の開発につながる可能性があるという。米医学誌に25日、発表した。
SLEは、免疫細胞のBリンパ球が、自分自身を攻撃する異常な「自己抗体」をつくってしまい、腎炎や皮膚炎、関節炎などの症状を引き起こす。厚生労働省の資料などによると、国内の患者は約6万人で、女性が約9割を占める。主にステロイド薬が治療に使われるが、免疫全体を抑えてしまうため、感染症を発症しやすくなるなどのリスクがある。
研究チームによると、Bリンパ球の表面にあるたんぱく質「CD72」を欠損したマウスは、自己免疫疾患を発症することがわかっていたが、具体的な仕組みはわかっていなかった。
チームはマウスの細胞を使った…