原子力規制委員会は26日、火山灰が大量に降った際の原発への影響について、これまで求めていたより10倍の濃度の火山灰を想定して対策を立てるよう電力各社に求めることを決めた。すでに新規制基準への適合が認められた九州電力川内原発(鹿児島県)や四国電力伊方原発(愛媛県)など3原発7基でも、非常用発電機のフィルターなどが目詰まりしないか、評価して報告するよう求める。
新基準は、噴火で火山灰がまき散らされても、空気取り入れフィルターの目詰まりにより非常用発電機が機能を失うことがないよう対策を求めている。想定する大気中の火山灰の濃度は、2010年に欧州で航空便が大量欠航したアイスランドの噴火の際に観測された1立方メートルあたり約3ミリグラムを用いてきた。
しかし今夏、関西電力美浜原発3号機(福井県)の審査書案への意見募集で、1980年の米セントヘレンズ山の噴火では、約135キロ離れた地点で1日の平均濃度が同約30ミリだったとの指摘があった。規制委は関電に美浜3号機での再評価を求めた。フィルター交換の回数を増やすことで目詰まりが起きないことが確認されたため、審査書を許可した。
今月8日にあった阿蘇山の噴火…