PTAとは
退会したら子どもの行事参加や記念品はなし――。学校のPTAや保護者会を巡って騒動が起きている。裁判になったケースも。親の退会で子どもが不利益を受けるのはあり?
「PTA、入退会は自由」 加入めぐる訴訟が和解
訴えられたのは大阪府内の私立中高一貫校の保護者会。ある父親(42)が運営への不満を理由に退会したところ、昨年3月の中学の卒業式にあたる中学部修了式で自分の子どもだけ花飾りのコサージュをもらえなかった。保護者会費で購入し、学校が配っていた。父親は実費負担を申し出たが保護者会が受け入れず、教員から花の種類や色を聞き、自前で用意した。
この学校の保護者会は、入学すると親が自動的に入会するのが慣例で、これまで退会者はいないという。父親は「卒業式は学校行事。親が保護者会に入っていないという理由で子どもに影響が出るのはおかしい」と昨年3月、慰謝料2万円を求めて堺簡裁に提訴した。
一方、保護者会長の男性は「他の会員の理解を得るのが難しい。子どものためを思うなら、保護者会に戻るべきだ」と反論。大阪地裁堺支部で審理が続いている。
同じような問題は各地にある。
東京都羽村市の山崎信子さん(46)は5年前、くじ引きで係を押し付け合う姿に疑問を抱き、公立小のPTAを退会。昨年、非加入の保護者に配られた「非加入時のご留意点」という文書に「会員ならではのサービス・メリット」として「登下校時の見守り」「記念品の贈呈」などが列挙され、加入しないと「以上のようなメリットをお受けいただけなくなります」と記されていた。文書の裏は加入届。「入会しろという脅しだ」と感じた。抗議すると、「加入・非加入にかかわらず、子どもたちに不利益がないようにする」と書かれた文書が配られたという。
熊本市では、加入の際に意思確認がなかったことを不服として男性がPTAを提訴。今年2月に「入退会自由であることをPTA側が保護者に周知するよう努める」などと合意し、和解した。
なぜもめるのか。入会届がない…