街頭テレビで米大統領選に勝利したトランプ氏の勝利宣言をみる人=9日午後4時55分、東京都千代田区、北村玲奈撮影
米国民の選択は、異色の実業家だった。米大統領選で9日、ドナルド・トランプ氏(70)が当選を確実にした。核は、基地は、外交はどうなるのか。日本の各地からは懸念する声が上がった。
タイムライン:トランプ氏、大統領選勝利への歩み
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【特集】米大統領選2016
東京都のJR渋谷駅前。9日夕、スクランブル交差点近くの大画面に、「トランプ氏が勝利宣言」とニュース速報が映し出された。
板橋区在住の土開賢樹(どかいとしき)さん(32)は「何かしでかしそうな人。どうなるんだろう、怖いな、という気持ち」と話した。会社員男性(60)は「実績で考えればクリントン氏だろうが、これまでの政治への不平不満が表れた結果では。日本で投票率が下がるのに似ている気がする」と分析した。
「核なき世界」を訴えたオバマ大統領から、日本の核武装を容認するトランプ氏に代わることに、不安を抱く人もいる。5月、現職の米大統領として初めて広島を訪れたオバマ氏と握手を交わした日本原水爆被害者団体協議会の代表委員、坪井直(すなお)さん(91)は「トランプさんは『USAオンリー』のように見える。核問題については、人類的な立場から方向性を出さないといけない」と釘をさした。「(日本の核武装は)何があっても絶対に許せん。広島、長崎に必ず来て欲しい。生きている限り、待ち構えたい」と話した。
長崎大核兵器廃絶研究センターの中村桂子准教授は、トランプ氏の核政策について「どこまでが本気で、どこまでがブラフ(脅し)なのかがわからず、コメントが難しい」。
国内の米軍専用施設の74%が…