シリアのアレッポ情勢をめぐってロシアと対立してきた米国も、駐トルコ・ロシア大使の殺害を強く非難した。
トルコ・アンカラでロシア大使銃撃されて死亡
ケリー米国務長官は19日、声明で「米国はロシア大使の暗殺を非難する。我々の思いと祈りはロシア国民とともにある」とした。さらに「この卑劣な攻撃を捜査する上で、米国はロシアとトルコを支援する用意がある。世界のすべての外交官が安全に自国を代表する権利に対する攻撃だ」とした。
ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のプライス報道官は「外交官に対する憎むべき攻撃は受け入れられない。ロシア、トルコと対テロの決意で結束して立ち向かう」とした。
犯人の背景が明確でない中、トランプ次期大統領は声明で、ロシア大使が「イスラム過激派テロリストによって殺害された」と断定した。「大使の殺害は、全ての文明的な秩序を破るもので、普遍的に非難されなければならない」とした。(ワシントン=杉山正)
■国連安保理「最も強い言葉で非難」
トルコでロシア大使が射殺された事件について、国連安全保障理事会は19日、「テロ攻撃を最も強い言葉で非難する」との報道機関向けの声明を出した。「あらゆる形態のテロは、国際社会の平和への最も深刻な脅威の一つ。動機がなんであれ犯罪であり、正当化できない」と断じた。
国連の潘基文(パンギムン)事務総長も同日「無分別なテロにがくぜんとしている。外交官を狙うことは正当化できない」とする非難声明を出した。(ニューヨーク=金成隆一)