長崎の画家・三牧樺ず子(みまきかずこ)さんが描いた高山右近の肖像画=カトリック中央協議会提供
キリシタン大名・高山右近がカトリックの「福者(ふくしゃ)」に認められたことを宣言する列福(れっぷく)式が7日、大阪城ホール(大阪市)で開かれた。ローマ法王代理としてバチカン(ローマ法王庁)から派遣された枢機卿が進行役の主司式を務め、信者ら約1万人が参列した。
福者は、聖人に次ぐ崇敬の対象。右近は昨年1月、法王から承認された。
式では、聖遺物として右近のチョッキの切れ端が壇上に置かれた。岡田武夫・東京大司教が福者の列に右近を加えるよう請願。法王代理のアンジェロ・アマート法王庁列聖省長官が法王の書簡を読み上げ、イタリア語で「福者の列に加えます」と告げた。その後、長崎の信者で画家の三牧(みまき)樺(か)ず子さんが今回の列福式のために描いた右近の肖像画が除幕された。カトリックは今後、右近が亡くなった2月3日を記念日として毎年祝うという。
右近は戦国時代、今の大阪府豊能町で生まれ、12歳で洗礼を受けた。豊臣秀吉のバテレン追放令でも信仰を捨てず、前田利家に保護された。1614年に江戸幕府の禁教令で国外追放となり、翌年2月3日にマニラで亡くなった。
これまで日本では、秀吉に処刑され殉教したパウロ三木ら42人が聖人に、江戸初期に聖地エルサレムを訪れたペトロ岐部ら393人が福者に認定されている。(岡田匠)