トランプ米政権の貿易政策を担う国家通商会議(NTC)のナバロ議長は6日の講演で、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉とともに、日本や英国との二国間の貿易交渉を進めていく考えを明らかにした。4月にも始まる麻生太郎・副総理兼財務相とペンス副大統領がトップをつとめる「日米経済対話」で米国側が持ち出す可能性がある。
ナバロ氏は新設のNTC議長として「近く動き出すであろう重要な貿易交渉であるNAFTA加盟国のメキシコや、日本や英国といった同盟国との交渉を手がける」と言及。「自由で公平で、相互に利益のある貿易を目指す」と強調した。
ナバロ氏は主要な貿易赤字相手国の中国、メキシコ、日本、ドイツなどを問題視。日本については「米国への2日分の自動車輸出が、米国からの輸出の1年分より多い」と述べ、日本の自動車市場の非関税障壁の改善を訴えた。域内の部品をどのぐらいの割合使えば関税の優遇対象にするかを決める自動車関連の「原産地規則」について、「とくに低く、すべての二国間協定で(割合を)高めていく」と話した。
トランプ政権が離脱を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)については、「悪い協定だ」と強調した。(ワシントン=五十嵐大介)