兵本達吉さん
「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」は25日で結成から20年になる。家族会は24日夜、東京都内で「特別集会」を開き、田口八重子さん(拉致当時22)の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(78)は「20年たっても解決できない。拉致されて40年たっても帰れず助けを待っている被害者は、ほんとうにつらいと思う。今年中にすべての被害者を救出できるよう、この問題を最優先にして闘いたい」と決意を述べた。
加藤勝信・拉致問題担当相は「拉致被害者帰国への具体的な道筋を見いだしていないことが痛恨の極み。家族や関係者におわび申し上げなければならない。北朝鮮の暴挙に対する国際社会の圧力をてこに、対話を通じ、すべての被害者帰国につながる具体的な行動をとらせるべく、あらゆる政策を駆使したい」とあいさつした。
家族会は23日にも都内で記者会見を開き、横田めぐみさん(同13)の母早紀江さん(81)が「こんなに長い間助けてあげられないのが悔しい。13歳の子が52歳になるまで、どんな思いで生きてきたのか。日本人の命を救おうという思いで、真剣に立ち上がってほしい」と訴えた。
1970~80年代に相次いだ日本人失踪事件は、警察の捜査や元工作員の供述で、北朝鮮による拉致の疑いが浮上した。97年2月、横田めぐみさんの拉致疑惑が報道と国会質問で表面化したのをきっかけに機運が高まり、拉致問題を追及していたジャーナリストや国会議員秘書の勧めで同年3月25日、家族会が結成された。