国際NGOの国境なき記者団(本部・パリ)は26日、2017年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち、日本は前年と同じ72位だが、イタリア(52位)に抜かれて主要国7カ国(G7)では最下位だった。
ランキングは各地で働く記者や専門家へのアンケートをもとに作成。北欧諸国が上位で、中東シリアや北朝鮮が下位に並ぶ傾向は変わっていないが、世界各地で「民主主義が後退し、ジャーナリズムの力が弱まっている」と警告している。
日本は10年の11位から順位の低下が続く。安倍政権への辛口キャスターらの降板なども踏まえ、「メディア内に自己規制が増えている」「政権側がメディア敵視を隠そうとしなくなっている」などと問題視。特定秘密保護法については、国連の特別報告者から疑問が呈されたにもかかわらず「政権は議論を拒み続けている」とした。
43位だった米国については「トランプ大統領がメディアを民衆の敵だと位置付け、いくつかのメディアのホワイトハウスへのアクセス制限を試みた」と警戒感を示した。(パリ=青田秀樹)
■報道の自由度ランキング
(カッコ内は前年との比較)
1 ノルウェー(3)
2 スウェーデン(8)
3 フィンランド(1)
4 デンマーク(4)
5 オランダ(2)
16 ドイツ(16)
22 カナダ(18)
39 フランス(45)
40 英国(38)
43 米国(41)
52 イタリア(77)
72 日本(72)
148 ロシア(148)
176 中国(176)
177 シリア(177)
178 トルクメニスタン(178)
179エリトリア(180)
180 北朝鮮(179)