ソフトバンクグループは20日、930億ドル(約10兆円)規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を設立したと発表した。サウジアラビアの政府系ファンド「PIF」のほか、米アップルやシャープなども参加し、最先端技術を持つIT企業などへの投資を加速させる。
トランプ米大統領の初の外遊となる中東訪問に合わせて孫正義社長がサウジを訪れ、PIFと最終合意した。ファンドは英国に拠点を置き、ソフトバンクが280億ドルを拠出。シャープも10億ドルを出す。アップルやアラブ首長国連邦(UAE)アブダビの政府系ファンド、台湾の鴻海(ホンハイ)も参加する。
ソフトバンクは2016年10月にファンド設立の意向を表明。孫氏は同年12月にトランプ氏と会談し、ファンドを活用して米国に500億ドルを投資すると表明した。
今月10日に孫氏は、あらゆるモノをインターネットにつなぐ「IoT」や人工知能(AI)の分野が急成長するとの見通しを示し、「これからゴールドラッシュが来る。借金を増やさず、集めたお金で投資する」とファンドの意義を説明した。投資先について「30社近くと話し合いを始めた。最先端の成長する会社を続々と仲間に入れる」と強調し、今後100億円以上の新たな投資は、原則ファンドを経由させる方針を示した。(徳島慎也)