インタビューに答えるロス米商務長官=18日、ワシントン、ランハム裕子撮影
ロス米商務長官が朝日新聞の単独インタビューに応じ、先月始まった日米経済対話の先行きについて「我々の希望は、最終的に日米の自由貿易協定(FTA)を結ぶことだ」と語った。ロス氏が日米FTAへの意欲を明確にしたのは初めて。経済対話の進め方については「日本が進めたいペースによる」として、日本側に一定の配慮もみせた。
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ロス氏は、15日に就任したライトハイザー通商代表部(USTR)代表とともに、トランプ政権で通商政策を担う。先月の世耕弘成経済産業相との会談後、日米FTAについてロス氏は「時期尚早だ」として明言を避けていた。ライトハイザー氏は日本の農業分野の市場開放を「第一の標的」としており、自動車分野とあわせて今後圧力を強める可能性もある。
18日に行ったインタビューでロス氏は「米国の主要貿易相手5カ国・地域のうち、FTAがあるのはカナダとメキシコしかない。日本、中国、欧州との間にはない」と指摘。「我々は小さな国とのFTAは多いが、この統合された世界では理にかなっていない。特に日本は、商業的な関係が長い間とても強く、安全保障面でも緊密な関係にある」として、日米FTAの必要性を強調した。
今後の協議について、ロス氏は米国が離脱を決めた環太平洋経済連携協定(TPP)を引き合いに出し、「TPPでは日本もいくらか譲歩しており、今後の協議の合理的な出発点になる」と説明。TPPのような多国間交渉よりも、二国間の方が譲歩を引き出しやすいとされており、TPPの一部ルールを土台としつつ、日本により高い市場開放を求めていく考えを示唆した。
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