自爆テロ事件の追悼集会で、市民の団結を呼びかける演説に耳を傾ける参加者たち=23日、英中部マンチェスター、渡辺志帆撮影
英中部マンチェスターのイベント会場で起きた自爆テロで犠牲になった22人を悼み、テロの脅威に屈しないことを示す集会が23日夕(日本時間24日未明)、マンチェスター市役所前の広場で開かれた。広場に入りきれないほどの数千人の市民が詰めかけ、結束の誓いを新たにした。
英コンサート会場で爆発、22人死亡 自爆テロか
集会には、ラッド内相や最大野党・労働党のコービン党首、バーカウ下院議長らも参加。マンチェスターの豊かな歴史や文化、寛容の精神をたたえる詩の朗読と1分間の黙禱(もくとう)の後、「マンチェスター!」というシュプレヒコールと拍手が自然発生的にわいた。
IT技術者のジェイムズ・シャープさん(45)は街のシンボルの蜂や、「I●(ハート)MCR(アイ・ラブ・マンチェスター)」のロゴを紙に約60枚印刷して、友人や見知らぬ参加者と高々と掲げた。「恐怖で人々を分断することはできないと示したかった」と話した。
イスラム教徒のパキスタン系英国人サラ・マリックさん(15)は、同級生がテロ事件に遭遇して23日の学校を休んだという。「悔しいけれど衝撃だった。でも団結を示すのは私たちの責務。家にじっと隠れていてはいけないと思った」と話した。(マンチェスター=渡辺志帆)